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ステーキレストランチェーン「ペッパーランチ」での腸管出血性大腸菌O(オー)157による食中毒で、原因とみられる「角切りステーキ」は普通の肉とは違い、端材を混ぜた「成型肉」で、中心部まで火を通す必要があった。客が焼く形式だったが、成型肉とはあまり知られておらず、十分な情報提供が必要との声が業界で出ている。 厚生労働省の11日のまとめで確認された患者は山口、奈良、兵庫、大阪、新潟、東京など11都府県の23人。疑わしい事例も含めると全国で患者は33人になる。 経営するペッパーフードサービス(本社・東京)によると、使われたのは岐阜県大垣市の協同組合が作った成型肉。8月3日製造分の1ロット(2560キロ、最大で2万3千食分)が関東から中国、四国の約100店に出荷され原因となった可能性が高い。 成型肉は、ブロック肉を切ったものではない。全国食肉事業協同組合連合会によると、たんぱく質などの結着剤で肉の端材や内臓肉などを混ぜて作るものや、輸入牛などに和牛の脂肪を注入して味を良くし圧力を加え形を整えるものがある。業務用のほかにスーパーなどで市販もされている。 ペッパーランチの角切りステーキも、主に豪州産牛肉を使い様々な部位の端材を混ぜ成型しカットしていたという。一辺2・3センチのサイコロ状の生肉を260度の鉄板の上にのせて出し、客が自分で焼く形式だった。 普通のステーキは、サーロインやヒレなど牛の筋肉にあたる部分が使われる。O157は筋肉内部には存在せず、たとえ表面に菌がいたとしても食べる時に表面を焼き、熱で菌を殺せばいい。レアで食べられるのはこのためだ。 一方、成型肉は細かくした肉を混ぜ合わせるため、内部に菌が入っている可能性がある。01年にも成型肉のステーキでの食中毒があり、食品衛生法は十分な加熱が必要と表示するよう義務づけている。 臨時休業していた都内のある店は9日に営業再開したが、客足は以前の半分程度に減ったという。入り口に張られた「おわび」を見るだけで立ち去る人も多い。 東京都小平市の会社員(51)は以前食べた時に店員から「よく焼いてください」と言われたという。「でも食中毒を防ぐためとは知らなかった。一口大で一度に口に入れるから、中まで火が通っているかは見なかった」と話す。 ペッパーフードサービスは今回の問題を受け、角切りステーキの販売をやめ、他のステーキも店で表裏を1分ずつ焼いてから出すことにした。接客マニュアルで「十分に焼いてお召し上がり下さい」と口頭で注意していたが、鉄板に添える油よけ紙にも「十分に焼いてお召し上がりください」と記すようにした。 外食企業でつくる日本フードサービス協会の中井尚事務局長は「成型肉は十分に火を通すよう店側に徹底し、お客様にも理解してもらうよう情報を伝えなければならない。牛肉やレバーなどが生で提供され食べられている実態もある。厚労省とも意見交換し、業界全体の問題として取り組んでいく」と話している。(小林未来、長沢美津子、大村美香)